リビング。
食事を終えてソファーに腰掛けてTVを見ながらくつろぐ俊介。
そこへ後片付けを終えた加奈子がエプロンを脱ぎながら入ってくる。
「相談がある。座ってくれ」
「なあ、加奈子」
「はい」
「今の私たちには子供がいない。どうだろう、子供を作らないか?」
「子供ですか?」
「ああ、そうだ」
子供……。
その身体を献体することによって、脳移植の犠牲となった美奈。
「欲しいのですか?」
「やっぱり夫婦には子供がいた方がいいと思うんだ」
「美奈を育てた経験からですか?」
「ああ、美奈の場合は他の子とはちょっと事情が異なるが、父親として育てていてやっぱり子供っていいもんだと思っていた。実際にも美奈はなついてくれていたし、幸せになって欲しいと心底思っていたのは事実だ」
「はい、その辺の事情はよく判ります。父親の愛情は感じていました」
「だから、もう一度子供を育ててみたいんだ」
「脳移植されたということが影響して、性同一性障害者として生まれ出る可能性がないとも限りませんよ」
「たとえそうなっても大丈夫だ。美奈と同じように愛していく自信がある」
「そうですか……」
しばし考え込む加奈子。
美奈として生きていたこれまでのことを思い起こしていた。
母親の思いの犠牲となって性同一性障害者となった美奈を、あふれる愛で包み込んでいた。
一度も悲しい思いをしたことがなかった。
普通の女の子と接してくれていた。
それは間違いない。
確かにこの俊介なら、どのような子供に生まれ育ったたとしても大丈夫だろう。
「でも、わたしに産めるでしょうか?」
「大丈夫だよ。おまえの身体は加奈子そのものなんだし、まだ30歳前半。子供を産むには一番適切な年齢だよ。一度美奈を産んだんだ。初産は大変らしいが、おまえは経産婦だからそれほどの苦しみはないはずだ」
しばし考えてたら答える加奈子。
「わかりました。子供をを産みましょう」
「ありがとう、加奈子」
抱き寄せられる加奈子。
あふれる愛を感じていた。
というわけで早速、その夜は子作りのために励む二人なのであった。
「バックからの方が妊娠しやすいんだ」
うつ伏せになり腰を高く上げて犬スタイルで俊介を迎え入れる加奈子。
この体勢では、射精した場合の精液が子宮経口に直接掛かるので、精子がすぐに子宮へと向かうことができるので、妊娠しやすいということである。
が……本当のところは、妊娠しやすいというのはどうでもいいことで、ただ単にバックからやりたかったというのが本音であった。
妊娠すればセックスが制限されるし、新婚に近い二人はまだまだセックスを楽しみたいはずである。
とはいえ、妊娠してもかまわないという状況は、二人にとって特に俊介にとっては、ありがたいことである。
避妊しなくて良い、イコール、安心して中出しができる!
性感を鈍らせるコンドームをしなくても良い!
セックスの最中にコンドームを装着する。
これほど興ざめすることはないはずである。
かといって膣外射精がどれほど危険かはよく知られている通りである。
俊介が腰を突き出すたびに、加奈子の子宮を突き上げていく。
そして揺れる陰嚢がぴたぴたとクリトリスを小刻みに叩いてより性感を昂ぶらせていく。
加奈子にとってはつい昨夜に初めての性体験ではあるが、身体の方は数え切れないほど俊介を迎え入れ成熟していた。
俊介に愛され抱かれる喜びを全身で感じ取っていた。
「あ、あなた……もっと強く!」
そんな言葉が飛び出すほどに……。
つづく
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